「とらわれない」ということ

 先日の土曜日、またテニスのシングルストーナメントに出た。そして、その日の最後の試合、1-4とリードされた所で私はサーブを打つ時のラケットの引き方とフットワークの使い方が突如ひらめいたのである。

 サーブを打つ際、ラケットを引いて行く時、背中でラケットの先端を回さなくてはならないのだが私はどうしてもそれが出来ていない所があり、それによりサーブの確率と威力が低かったのである。その事はクラブの上級者から指摘されて、自分でも言われた通り練習していた。しかし、その事は頭で分かっただけであり、本当に体で分かっていなかった。しかし、土曜日の試合を全力で戦っている内に、そうすることが本当に効果的であるという事が体で理屈抜きで本能的に分かったのだった。
 それにより、打ち方が改まった事でその場ですぐ、私のサーブの威力が倍増し、相手コートに効果的で早いサービスをたたき込む事が出来るようになり、面白い様にポイントを重ねていった。また、同時にフットワークの使い方も分かった。
 今までシングルスの試合で相手とストロークを打ち合う際、打ち負ける事が多かったのだが足を常に動かしてフットワークを効果的に使う事により威力と正確さのあるストロークを相手に打ち返す事が出来るということもその時に分かり、それから1-4で負けていたスコアを一気に5-5のタイにまで持ち込むことが出来た。
 試合は結局5-6で落としたが、私は遂にテニスのシングルスのやり方を見出したと思って、帰りの車の中で有頂天になった。

 私はもうこれでテニスのシングルスの勝率が飛躍的に上がると思ったので本当に浮き足立って喜んだ。そして翌日の友人とのダブルスのゲームでもけっこう調子が良く、全試合勝利した。
 しかし、その次のテニススクールの練習試合でどうもサーブでラケットを背中に回すことにとらわれてしまい、全然調子が上がらず、戦績は1勝4敗というていたらくであった。

 私はそれからどうも頭が混乱してしまい、良くなったはずのテニスの調子がどうしてしまったのだろうと思った。私は究極のコツを知った以上、もうこの力を手放したくなかった。これでやっと連戦連敗していた相手にも勝てる、テニスのトーナメント会場でも幅を利かせられると思ったからである。
 しかし、そう思えば思うほど、考えがまとまらず、迷いが出て来てしまうのであった。そして、その後、私は次の様な事を悟ったのである。

 我々は経験により色々な事を悟るが、次の瞬間、その悟った事さえも心から放たなくてはならないのである。これは究極の事を悟った、分かったと思ってもいつまでもその事にとらわれていると自己の生命のそのままの自由自在さを失ってしまうからである。
 悟った事はことさら、次からは意識しなくてももう自己の生命は踏まえているのであるから、もう余り、その事に心を引っ掛からせない方がよいのである。

 私はサーブの打ち方のコツの一つにとらわれてしまい、全体の調和した動きがおろそかになり、また相手や飛んでくるボールに対しても注意力が散漫になっていたのだった。
 頭でなく経験により本能的に体で分かった事、悟った事はもうことさらそれ以降意識しなくても体が覚えているのである。だから、その体の自然な動きに任せて、もうその分かったやり方にとらわれない方がよいのである。

 よく、世間でいいこともあんまりとらわれると良くないと言われるが恐らくそれは上記の様な事を指しているのだと思う。
 
 生長の家でも創始者の谷口雅春先生がかつての日本と世界の状況に応じて説かれた事にとらわれて現在の総裁・副総裁の清超先生、雅宣先生の仰る事が雅春先生の仰った事と違うと言って、それを理解しようとしない人がいるが真理というのは一つの形に現れたら後は切って捨てていかなくてはならないのである。
 そうでなければ形にとらわれてしまって形骸化が起こるのである。宇宙の大真理は常に形を表現し、そして次の瞬間、それを自ら壊し、永遠に新しい創造活動を続けて行くのである。
 
堀 浩二
by koujihori | 2005-09-13 12:59 | 信仰 | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2005-09-15 09:48 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by koujihori at 2005-09-15 13:06
R様

コメント有り難うございました。選挙の話、掲載するつもりは無かったんですがRさんのリクエストにより載せる事にしました。

堀 浩二
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