ふじみ野市のプール事故について

 今週の月曜日、埼玉県ふじみ野市の市営プールで、小学2年生の女児が流れるプールの吸水口に吸い込まれ、死亡した事件だが、私は怒りを抑える事が出来ない。
 こんなのは事故ではなく、プールの管理者に殺された様なものだからだ。流れるプールは強力な水ポンプで水を吸引し、水の流れを作っている様だが、その吸入口の一つがフェンスが外れており、そこにこの女児は吸い込まれて、命を落としたのである。これは言うまでもなく完全な人災である。

 何故、こんな事になってしまうのだろうか?報道によれば、吸入口のフェンスが外れていた事は事故直前に客の一人から監視員に知らされており、監視員は声で吸入口には近づかない様に客に声を掛けたというが、その直後、事故が起きたらしい。何でもこの女児は潜っていたから監視員の注意が聞こえなかったのではないかという事だが、そんなのは理由にはならないだろう。 
 本来ならすぐにでもポンプを止めるか、客を全員、プールから出すか、それともその吸入口の真ん前に監視員の一人でも立っていたら、いくらでもこの事故を防げたはずである。何とも表現のしようのない無策ぶりである。
 近頃の日本ではこの様に業者による過失致死事故が余りにも多い。パロマの湯沸かし器の不完全燃焼による死亡事故もそうだし、シンドラー社のエレベーターによる死亡事故、また数年前の六本木ヒルズの自動回転ドアによる男児の死亡事故等々。

 これは人命よりも金儲けを優先する金儲け第一主義の弊害でもあり、また、人の生命を守る為に今、何を第一にして行動すべきかという覚悟の欠如が原因であろう。
 私は人命という一番大切なものを守る為に今、何を第一になすべきかという判断力、決断力、そして実行力が今の日本人全体に欠落しているのではないかと思う。それは生命体なら当然持っているはずの自己防衛本能である。
 生命体は自然の抵抗力というものがあり、仮にばい菌が傷口から入ったらそれを排除しようという働きがある。それが生命力というものである。だから、国家というものも大きな生命体であるから当然、ある程度の適当な防衛力といざとなればそれを行使する意志を持たなくてはならない。そうでなければまともな外交も出来ず、諸外国からなめられてしまい、自国民を拉致されても、ミサイルを撃たれても、そうした相手国に対して、毅然とした態度には出れないのである。
 国全体がそんなだから、国民も同様に生命という一番大事なものを維持する為に何を今、第一に行動しなくてはならないかという当たり前の生命体の抵抗力みたいなものが働かないのだと思う。

 それは一重に自己の生命の実相をきちんと自覚していない人達が多いからだと思う。自己の生命の実相を自覚していなければ、本来我々が持っている内部の生命の自己防衛本能、抵抗力もきちんとまともに働かないのである。

 それともう一つ、責任の所在というものが今度の事故の場合、どこにあるかという事が極めて不明瞭である。市営プールであるからその責任は市にあるのかも知れない。そうなると大元の責任者は市長という事になろう。だからこそ市長は翌日すぐに記者会見を開き、謝罪した様だが、この市長はもちろんのこと、市のこのプールの担当者も実際にこのプールでの管理体制、状況というものを一切、把握していなかったのである。
 それは何故かという言うと、プールの運営、管理業務は民間会社への委託、即ち今はやりの丸投げにされていたからである。丸投げだから丸投げした市の方は全然、その実態を把握していないのである。そして、今回は何とその丸投げされた会社がまたもその業務を他の管理会社に丸投げするという二重の丸投げが行われていた様である。

 こんな状況では管理はずさんにならざるを得ない。要するに責任者、中心者が完全に抜け落ちた状況であったのである。責任の所在の無い仕事は確実に穴が出来る。そんな所から今回の悲惨な事故は起きたのである。

 これはやはり、ものの道理即ち真理を知らない、解しない愚かな人達が起こした事である。組織というものは中心がきちっとしており、全ての責任はその中心者にあり、その中心者はその組織における業務は人にやらせるにしてもその内容に関しては私は知りませんなんて事は赦されず、きちっと把握、管理していなければならないのである。

最後に今回、犠牲になった戸丸瑛梨香ちゃんのご冥福を心からお祈り致します。

堀 浩二
by koujihori | 2006-08-03 10:05 | 時事問題 | Trackback(1) | Comments(0)
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