赦し

 私は正義感の強い人間で、理想も高い。組織とは人とは社会とはこうあるべきだという理想があり、それの実現に向けて、毎日、邁進している積もりである。そうなると組織の身近な人間とか地域の知り合いでその私の理想や正義感に合わない人間はこれを審き、嫌い、軽蔑し、憎む様にまでなるのである。

 私は人間は神の子で素晴らしく、どの人も皆、そのままで完全円満であるという信仰がある。だから、その信仰が現実の自分の目の前の人に適用出来て、相手を愛し、赦せる様になるのは皆、内なる神に全託している。

 ところでその赦せる瞬間というのがいよいよ出て来たのである。私の自宅で先日、誌友会があって、講師の先生がいらっしゃって、講話をして頂いた。私はノートにその日の誌友会の記録をその場でする事にしていて、日時やテーマ、そして講師の名前、参加者の名前をノートに書いて行く。そうしたら、講師の名字は分かったが名前の漢字が一瞬、分からなくて、ひらがなで書いたのだが、その後、講師の持っている出講依頼の葉書をチラッと見て、その講師の名前の漢字が分かり、その漢字名を講師のひらがなの名前の上に書いたのだが、それがうっかり、かなり上の方に書いてしまった。それでその名前だけが他の名字とかと離れて、目立つ所に記されたのである。私は自分だけのノートにも講師の名前には必ず、~先生と書き、決して名前だけ呼び捨てに書く事はしないが、心ならずも講師の名前だけが敬称抜きで目立つ所に書かれる様になった。
 それで私は司会だから、私のノートは講師がちょっと目をやれば、容易に見えるのである。その時、私はその名前の所にまた改めて先生という敬称を書こうかとも思った。私はその講師に「お前は口では私の事を先生と呼んでいるがノートには呼び捨てに書くのか」と疑われるのを恐れたのである。しかし、それは元々フルネームで講師の名前を書いていて、それには勿論、~先生と敬称を付けていたのが、後から名前の漢字をそのそばに書こうとしたら、うっかり、ちょっと離れた上に書いてしまったから、名前を呼び捨てに書いたみたいだが、実際はそんな呼び捨てに書いていないから、改めて、講師の名前の漢字の所に敬称を書く必要は無いとも思った。
 私はどうしようかちょっと一瞬、葛藤したが、結局、後から書いた講師の漢字の名前に敬称をつける事をしなかった。というのは私はそれを本当に講師に敬意を表して、敬称をつけようとしたのではなく、講師に誤解されて、憎まれる事を恐れたから敬称を書こうとしていると自分で判断したからである。私は恐怖心を元に行動する事はしないのである。そして、その恐怖に打ち勝ち、講師の名前に敬称をつけなかった。これは何でもない小さな事の様だが、これが途轍もない真理を私に教えてくれた。

 その時、私は悪気はなく、また、仮にこの講師に誤解されて憎まれる事になった事を想定すると人を憎む心の波動というものは如何に恐ろしいものであるかという事が体感された。そして、同時に私は人を赦す事の大切さをそれこそ、理屈抜きで思い知ったのである。そして、私は今まで人を憎み、軽蔑して来た自分を内心、懺悔した。

 人を赦す事が大切である。人が過ちを犯すのは悪気がある訳ではなくて、まだ魂が幼いか、仕方が無くて、そうしたのである。人を赦した時、自分も赦される。人を赦すという事は実相の罪を犯した事の無い姿を直視する事である。そうする時、対人恐怖は消える。人が恐いのは相手をこちらが憎み、相手からもこちらが赦されていないという心から来るのである。

堀 浩二
by koujihori | 2008-06-23 13:01 | 信仰 | Trackback | Comments(2)
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Commented by ゆきえ at 2008-06-23 23:33 x
>人が過ちを犯すのは悪気がある訳ではなくて、まだ魂が幼いか、仕方が無くて、そうしたのである。人を赦した時、自分も赦される。人を赦すという事は実相の罪を犯した事の無い姿を直視する事である。

本当にその通りですね。
わたしもまさに、今実感しております。

見落としそうな小さなことの中にも、宇宙の真理がかくされているのですね。 まさに今此処天国の顕れかもしれですね。
Commented by koujihori at 2008-06-24 09:36
ゆきえさん

 コメント有り難う御座います。ゆきえさんも同じ事を実感して下さるのですね。有り難う御座います。

 それと全ての経験は先生ですね。注意してその示す所を感じ取る事が大事ですね。
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